仮説思考とは?使い方の例と身につけるためのコツ[ロジカルシンキングの精度とスピードを高めるテクニック(3)]

はじめに

「頭が良いというのは具体的にどういうことか」と訊かれたら、私はこう答えます。

限定された情報を基に問題の見極めとその解決策へ速やかに辿り着けること

地頭力と敬称することもありますが、この限定された情報を基に問題の見極めとその解決策へ速やかに辿り着ける能力を高めるために重要な「仮説思考」について解説します。

仕事に限らず、論理的に物事を考えること(=ロジカルシンキング)が求められるシーンは
よくあると思います。ロジカルシンキングを実践するための考え方として「ゼロベース思考」「MECE」「ロジックツリー」「仮説思考」を紹介しました。マインドセットを鍛える記事一覧はこちら。

「マインドセット」の記事一覧です。

【他のおすすめ記事はこちら】
https://boringbluebear.kagoyacloud.com/444/

資料作りのコツと苦手意識を克服するための4つのポイント
はじめに比較的短時間で終わる作業、頭を使わずに行える作業もあります。しかし、日々生産性向上を求められる昨今では、より難しい課題解決に対してどのようにアプローチするか、を要求されているのではないでしょうか?簡単に終わる作業は陳腐化していきます
仮説思考とは

限られた時間と情報で導き出せる結論=仮説
この「仮説」に向かって思考を繰り返すこと仮説思考です。

「情報をたくさん集めれば良い解が出せる」は最善ではありません。
情報収集自体は重要ですが、確実な解が出るまでとことん情報を集め、評価し、本質を見極めようとすると、解を出すまで時間が掛かり、解の質は低下してしまいます。
それよりも、「限られた情報を観察・分析し、具体的な仮説を設定し、仮説を実証するサイクルを高速にまわす」ことで、最終的な解の質が向上していきます。

仮説思考を使うべき2つの理由
  1. 拙速は巧遅に勝る
    トヨタの「カイゼン」では「巧遅より拙速」という言葉があります。
    拙速とは→拙いが速い
    巧遅とは→巧みだが遅い
    を指します。言い換えると、「完璧に仕事を終わらすことよりも100%でなくて良いから早く終わらせろ」と言えます。
    FaceBook会長のマーク・ザッカーバーグの名言「 Done is better than perfect(完璧を目指すよりまず終わらせろ)」にもある通り、細部への検証も必要ですが、それよりもその時点での結論に向かってゴールを目指すことを繰り返すことが重要です。

  2. 「xxだからできない」から「いまできることはxx」への意識のスイッチ
    情報、時間、人、資源といったリソース不足があると、つい考えてしまうのは、
    何か口実となる理由を探し、「できない理由」で身を守ろうとすることです。
    直面する課題や問題に対して、できない理由を探すよりも現時点のリソースから「xxができる(考えられる)」といった仮説思考をベースとした意識により前向きな言動・行動を選択できます。
仮説思考のポイント
  • 仮説のタネは思いつきでも良いが、事実から導いた推論であること
    ロジックツリーの記事では「So Why(で根拠は?)」について触れましたが、
    仮説の正誤よりも、自身の思考に対して納得できる理由を持ち、その根拠が事実に基づいていることが重要です。
  • 正解を目指すのではなく行動と判断を説明できることが重要
    日本の学校教育では穴埋めや選択肢に適した答えを考える機会が多かったせいか、
    多くの日本人は思考するときに「正解は何か?」と習慣的に考えがちです。
    しかしながら、人生において正解が設定されていることなど皆無ですよね。
    (自分で正しいと思う価値観を設計し続けるのが大事!)
    そのため、正解を目指すのではなく、自身の行動と判断を説明できる状態を保つことが大切だと思います。
  • 「空・雨・傘」で考える
    マッキンゼーをはじめとするコンサルティングファームの代表的なフレームワークとして、「空・雨・傘」があります。具体的な例が以下です。
    空→事実の認識
    例:空はおおむね晴れているが西の空に雨雲がある。風は東に吹いている
    雨→仮説と解釈
    例:もうすぐここも雨が降るかもしれない
    傘→行動と判断
    例:傘を持って出かけるのがよさそうだ
    この「空・雨・傘」の思考パターンで観察→仮説→実証を繰り返すことが仮説思考を身につける良いトレーニングになります。
  • 仮説を組み立てるヒントとなるSCAMPER
    SCAMPERとは7つの質問チェックリストの頭文字をとったアイデアを連想するためのフレームワークです。
  1. Substitute(代替する)
  2. Combine(合わせる、繋げる)
  3. Adapt(順応させる)
  4. Modify(修正する)
  5. Put to other uses(他の用途に置き換える)
  6. Eliminate(省く)
  7. Rearrange(再調整する、組み替える)
    この7つの動詞から観察した対象から新たな仮説を導く手掛かりとなります。
    詳しくはこちらを読んでみてください。企画などのアイデアツールとして有効です。
最後に

論理的に物事を考えること(=ロジカルシンキング)を実践するためのテクニックとして、
仮説思考について解説しました。「もしこれがこうなったら、何が起きるか?」を観察して見出し、仮説立て、検証してみる。そして、その仮説を並列化&深掘りしていくことで仮説思考は強力な武器となります。

「マインドセット」の記事一覧です。

ロジックツリー、MECE、仮説思考、ゴール思考といったロジカルシンキングが体系的にまとまった本はこちらがおすすめです。