MECEとは?使い方の例と身につけるためのコツ【ロジカルシンキングの精度とスピードを高めるテクニック(1)】

目次

はじめに

仕事に限らず、論理的に物事を考えること(=ロジカルシンキング)が求められるシーンは
多いと思います。自分の考えや主張を論理的に伝えることができると、コミュニケーションの齟齬を減らしたり、自分の要求を通しやすくなるため、身につけると強力な武器となります。
そのロジカルシンキングを実践するためのひとつの考え方として「MECE」があります。
本記事ではこの「MECE」を解説します。

ロジカルシンキングを実践するための考え方として「ゼロベース思考」「MECE」「ロジックツリー」「仮説思考」を紹介しました。マインドセットを鍛える記事一覧はこちら。

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MECEとは「モレ、ダブリなく」思考すること

MECE=Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略です。
ミッシー、またはミーシーと発音します。
直訳すると、お互いに重複せずに(排他的に)、全体として網羅的である、という意味です。
もっと、分かりやすい言葉で言うと、「モレなく、ダブリなく」考えることを示します。
なにか物事を考えるとき、AとBのグループに分けて整理してみる、分類に重複したところがないかといった考え方としてMECE(モレなく、ダブリなく)があります。

モレなく、ダブリなくをもっと分かりやすく図解してみると以下のようになります。
考えるべき対象(外枠の四角形)に対して、モレなく、ダブリなく考えられているのは右下の図です。

MECEをどう活用するか

それでは、MECEを具体的にどのように活用できるか考えてみます。

例えば、人間をMECEで考えると以下のようになります。

  • 誕生月ごとに1~12月に分類→MECEである
    →必ずいずれかの月に所属する(モレなし)、複数の月には所属しない(ダブリなし)
  • 職業ごとに分類→MECEではない
    →モレもダブリもある。理由:モレ→無職、ダブリ→兼業が存在するため

こんな風に、特定の軸で分類(グルーピング)してみると、MECEで考えるという意味合いが分かってくるかと思います。

MECEで思考する2つのメリット

次はMECEで考えることによって、どんな良い点があるかを考えてみます。

  1. モレがないことで、考える対象の見落としを防ぐことができる
    課題に対する対策を検討するときにMECEあるかどうかという視点で考えることができ、より効果的な対策を見落としていないか、網羅的に可能性を検討することが可能です。
  2. 答えを出すまでのスピードを加速できる
    MECEな考え方が出来ていない場合、同じ考えを堂々巡りしてしまったり、同じ分類の中で、必要以上に詳細を考えてしまったりしてしまいます。MECEで考えることで大分類(グルーピング)で方針を決めることで「この分類グループは考えなくてよい」という思考の断捨離をすることができます。
MECEで思考するためのコツと効果的な練習
  1. 紙に書き出す
    MECEは数学で学ぶ「集合」の考え方に沿っており、ベン図やロジックツリーを活用することで、モレがあるか?ダブリがあるか?を図示することができ、思考が整理されます。
    図解が苦手…という方はこちらをおすすめしたいです。

    また、紙も良いツールですが、僕のおすすめはBUTTERFLY BOARD2です。
    詳しくはこの記事を読んでみてほしいです。
    愛用している携帯型ホワイトボードの決定版、BUTTERFLY BOARD2のレビュー。
  2. 既にある考え方を流用
    自分でゼロから分類を探すのではなく、経験者や書籍から対象に対する分類の仕方を学んでから実践していくと、その対象に対するMECEの「型」が見えてきます。
    例えば、業務システムを考えるときはその業務やシステムに精通しているヒトと会話しながら、図に落としていく、という作業が良いです。
  3. タグをつける/分類をするクセをつける
    例えば、それなりに長い文章を読んだときに「一言でいうと何について書かれた文章か?」や「カテゴリ分けすると何に分類される?」という自問をするクセをつけると良いです。また、ヒトが集まった場所でその集団に対してMECEとなるグルーピングをして脳内で遊ぶといったことを私はよくやっています。
最後に

ロジカルシンキングを実践するための重要な考え方であるMECEを解説しました。仕事/プライベート問わず有用な思考のテクニックですので、日常のさまざまのシーンで
「MECEで考えたらどうか?」と自問してもらうと、テクニックとしての奥行きと効果が腹落ちすると思います。

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