ミステリー?SF?サスペンス?な小説”数学的にありえない”をおすすめ

目次

はじめに

興味深い生き方をしている人生の先輩からの薦めで「数学的にありえない」という本を読みました。

あらすじ

癲癇の持病に悩み、それが原因で統計学講師を辞め、ギャンブル(ポーカー)中毒の天才数学者の主人公と、元KGB、現CIAの美女殺し屋の2人がある「能力」を物語の核として、

いろいろと紆余曲折あって、なんかもう、すごいことになります。笑

内容のポイント

この本のおもしろい部分は、

いわゆるハリウッド映画的な主人公のがトラブルに巻き込まれてく+国際的な陰謀とかに絡んじゃってる美人スパイ+手に汗握るアクション+程良いサスペンス要素がベースになっていて、その物語のコアとなっている「能力」について統計学・生物学‥物理学のリアリティ溢れる説明や物語との絡ませ方が絶妙に知的好奇心を刺激します!

話の中に出てくる理論は、

ハイゼンベルクの不確定性原理(ある2つの物理量を同じ条件下で測定することはできない)

シュレーディンガーの猫に対する2つの解釈

-量子力学的な意味合いで、観測しなければ結果が収束しない一般解釈(コペンハーゲン解釈)

-宇宙目線で絶対的に考えて、枝分かれした並行世界が同時に存在している(エヴェレットの多世界解釈)

特殊相対性理論(1.いつも自然な法則は成り立つ 2.光の速さは変わらないの2つの大原則)

とかもろもろの説明と解釈を示して、

ラプラスの悪魔(訳ではラプラスの魔)を肯定する。

※本の中では分かりやすい例えやしつこくない講義風の説明でリズミカルに解説してくれます。

さいごに

ちょっとだけでも数学をかじってるとそそる内容になっていて、「いったい世界ってどうなってるの?」と少年みたいな気持ちが少しでもあればさらに興味深い内容に感じると思います。著者は統計学者らしく、説得力が増します。

選択肢があるときには期待値を算出するのは今後の判断材料にも役に立つかも…?

数学や確立理論に精通していなくても、学びつつアメリカ的リズム感で物語を進めてくれます。おすすめです。