目次
はじめに
資料作成をするときに以下のような経験がある方はいないでしょうか?
・資料作成を上司に頼まれたが何から手を付けていいか分からない
・資料作成をはじめても、明確な自信をもって作業が出来ず、時間を浪費してしまう
私もこのような経験をしており、資料作成に対して苦手意識を感じていました。
どうすれば、もっと早く楽に自分の伝えるべき内容を資料することができるのか。
超高速に資料作成する先輩から盗んだり、書籍の内容を分析し、実践を繰り返すことで、
資料作成のスピードと質が向上した実感があります(まだまだ発展途上ですが。。)
そこで得られたコツを共有したいと思います。
そもそも、なぜ苦手意識をもっていたか?
そもそも、なぜ苦手意識を感じるのか?を考えてみると、私の場合は、
“何に向かって(Goal)、どうやって(How)進めればいいか分からないから”に尽きます。
必要なのは具体的な手順と指標となる到達点(資料を通して何を実現するのか)が重要です。
記事を書いておいて恐縮ですが、
記事を読んだところで劇的に資料作成がうまくなるわけではありません。
筆者の経験から以下のステップを繰り返し行っていくことが肝心です。
- 自分で手を動かして資料を作る
- 自他レビューを繰り返す
- フィードバックをもらう
- 改善箇所を自分の中で腹落ちさせて、また1.へ
資料作りのコツと苦手意識を克服するための4のポイント
上で挙げたステップのスピードと質を向上させながら繰り返すために何に気をつけるべきか、以下4つのポイントについてこれから説明します。
- 資料作りにおける大切な心掛け
- どんな手順で資料を作ればよいか
- レビューで気をつけるべきこと
- 分かりやすい文章・図表のルール
順に詳しく説明していきます。
- 資料作りにおける大切な心掛け
資料作成とは?とあらためて言葉として定義してみると、集めた情報を整理し、抽出したアウトプットを伝えるためのスライドを作成することだと思います。そのときに重要なのは以下の2つです。
[1]相手が何を欲しがっているかを想定し、可能なら検証を行う
資料を読む相手が、どんな立場の人間でどんな精神状態にあるのかをターゲット化して資料作成の指針とするべきです。マーケティング用語でいうところのペルソナを定義するイメージです。※ペルソナ…ターゲットとなる人物像を詳しく設定すること[2]ゴールから考える
資料を通して何を伝えたいか、というゴール設定が最も重要です。
資料という手段を使って、どうやって受け手をそのゴールに移動させるのかを考えます。その時の重要なポイントは、伝えたい相手、理解してほしいこと、理解した結果どんな行動をとってほしいのかを細かく想像することです。 - どんな手順で資料を作ればよいか
資料におけるゴールが見えた!では、どうやって資料の作成を進めるべきなのか。
以下の3つのステップで作成します。
①目次をつくる
伝えたいゴールに到達するためには、どのような順番、どのような粒度で説明をするのかを目次として整理してみます。同時に各目次に対して、何を伝えて、どんな考えを誘発したいか、どんなディスカッションにもっていきたいかをメモ書きしておきます。
②各スライドごとにタイトルとリード文を作成
リード文には目次で想定した論点(解決しなければならないこと)をふまえ伝えたいことを書きます。
③ボディ部にリード文を裏付ける根拠となるデータや詳細な説明を記載
[参考]スライド作成における鉄則 3つのルール
①1スライド=1メッセージ
②スライドの構成ルール
タイトル=お題、リード文=結論、ボディ=根拠をを論理的になるように心掛けることが重要です。
はじめに私がこれまで業務をする上でこれは効率がよくなる!と考えて書き留めておいたパワーポイントのショートカットキーのリストを公開します。あとで、また詳しい説明を更新します。Noコマンド説明1F5スライドショーの開始2shift+F5現在のス - レビューで気をつけるべきこと
個人で資料作成し、伝える場合は誰かにレビューしてもらう必要性はありませんが、(当然個人の資料でも出来るだけ他者にみてもらう方が資料の質は向上します)多くの場合は、組織に属した中で上位者にレビューしてもらう必要性があると思います。そんなときにレビューしてもらう場合に気をつけるポイントを挙げます。
資料作成の各ステップごとにレビューを行う
上司は□□と考えていたのに、自分の認識は△△だったということを極力避け、作業の手戻りを防ぐために、目次と話したい論点のレベルでレビューを実施し、資料の構成を文字にして共通認識をつくります。伝える内容について不安や不明確な要素、上司との関係性がまだ構築できていない場合はもっと細かい粒度でレビューを実施するのが良いです。
レビュー時に見てほしいポイントを明確に伝え、指摘事項はメモとして記録しておく
いつ、どのスライドに対してどんな指摘があったのかを記録しておくことで、多くのマルチタスクを抱える上司にとっての忘備となり、以前のレビューで指摘を受けたことを改善した、という建設的なレビューができます。
セルフチェックのポイント
資料の質を担保するために以下の点に注意してセルフチェックを行うのが良いです。
相手の立場に立つ
誤字脱字(てにをは英語表記)
主語述語(誰が何を明確にする)
文章を読んで、ぱっと理解できるか(できる限りひとつの文章は40字以内)
何度も修正をしてきた資料故にどうしても主観が混じってしまう場合は、全く関係がない人に資料をみてもらうのも一つの手です。 - 分かりやすい文章・図表のルール
文章に対して徹底して行うことについては、以下の記事で詳しく書いています。
図表を使うときのコツ
色・線の太さ・形に意味をつける
→無駄に様々な配色を使った資料よりも、特定の色が指す意味、線の太さで伝えたいこと、オブジェクトの形で示したいこと
をルール化して表現します。
情報を定性的or定量的に分類して、適切な表現方法を使う
定性的な情報に向いている表現方法:
階層:ロジックツリー、マトリクス(表)
流れ:フロー図
整理・比較:マトリクス、ポジショニングマップ
定量的な情報に向いている表現方法:
数値 縦棒・横棒グラフ
割合 円グラフ・100%棒グラフ
時系列 線グラフ・縦棒グラフ
さいごに 資料作成の能力を鍛えるための書籍
私の挙げたコツは資料作成におけるほんの一部分でしかありません。
もっと深く学びたい方は以下の書籍を読んでみてください。また、こちらの記事も参考ください。
問題解決の金字塔的な本です。ゴール設定をどうやって考えるか、問題解決におけるプロセス、図表表現の方法など示唆に富んだ名著です。
美術のバックグラウンドをもった珍しいタイプのコンサルタントだった山口 周氏の本。
こういう情報はこうやってまとめる、という豊富な図解と事例が多く紹介されており、テンプレートの宝庫として使えます。
山口 周さんの書籍は以下もおすすめです。
タイトルのzenは”禅”から着想を得ています。
無駄なものを削ぎ落とし、本当に伝えるべきメッセージを伝えるにはどうすればよいのか?
資料作成における原則・概念、創造的なアイデアと実例が豊富に載っています。