目次
はじめに
WSUSサーバを運用している際に、仮想→物理や物理→物理の移行を行うケースがあります。
その移行方法を調べてみました。
WSUSサーバの環境を移行する手段は2つ
私が調査した限り、WSUSサーバの環境を移行する手段は2つあります。
- 一時的にレプリカ構成で新規サーバを構築し、古いWSUSサーバと同期を行う
- 新規でWSUSサーバを構築し、更新プログラム情報をファイル単位で移行
それぞれ詳しくみていきます。
1.一時的にレプリカ構成で新規サーバを構築し、古いWSUSサーバと同期を行う
旧環境のWSUSサーバを親、移行先の新環境のWSUSサーバを子として新規構築し、
子のWSUSサーバで以下のレプリカ設定を行うことで親と同期を行うことができます。
同期が終わったら、このレプリカ構成のチェックを外せば、新環境のWSUSサーバへ設定がコピーされた状態で運用できます。
以下実施に伴う注意事項です。
- 新旧WSUSサーバのホスト名とIPは同一にはならない(旧環境を壊してから一致させることは可能かと)
- 同期の処理は大量のデータ通信が行われる
- WSUSサーバのバージョンを一致させる必要がある
- 更新プログラム情報(メタデータ)をそのまま引き継がれるため、不要な更新プログラム情報もそのまま引き継ぐ
2.新規でWSUSサーバを構築し、更新プログラム情報をファイル単位で移行
詳しい手順は以下にまとまっていました。
詳細はこちらを見ていただくととして、おおまかな手順を示します。
http://technet.microsoft.com/en-us/library/dd939873.aspx
- 新環境のWSUSサーバと旧環境のWSUSサーバの同期オプションの設定を一致させる。
- 旧環境のWSUSサーバ上で以下のコマンドを実行し、更新プログラム情報をファイルへエクスポート
wsusutil.exe export packagename.cab logfile.log
※wsusutil.exeはProgram Files\Update Services\Toolsに格納されています。 - 旧環境のWSUSサーバのWsusContentフォルダ配下のダウンロード済みファイルを、
新環境のWSUSサーバへすべてコピー - 新環境のWSUSサーバ上で以下コマンドを実行し、旧環境のWSUSサーバの更新プログラム情報をインポート
wsusutil.exe import packagename.cab logfile.log - 新環境のWSUSサーバ上で以下コマンドを実行し、更新プログラムとWsuscontentフォルダ配下の整合性をチェック
wsusutil.exe reset - 旧環境のインストール承認設定に合わせて、新環境の承認設定を実施
最後に
1.一時的にレプリカ構成で新規サーバを構築し、古いWSUSサーバと同期を行うでは設定や承認済更新プログラムの設定を自動的に同期するため、承認した更新プログラムの齟齬が発生しませんが、過去に同期していた不要なプログラムも移行対象となります。
2.新規でWSUSサーバを構築し、更新プログラム情報をファイル単位で移行では、承認は手動で行う必要はありますが、旧環境のWSUSサーバから過去の不要更新プログラムをコピーしなければ、不要な更新プログラムの断捨離を行うことができます。
内容は以下を参考しています。
【2019/04/11追記リンク切れ。移行先分かり次第更新します】
https://blogs.technet.microsoft.com/jpwsus/2018/06/19/wsus-category/
尚、WSUS API Samples and Toolsを使う方法もあるようなのですが、WSUS4.0ではサポートされていないようです。
以上、WSUSサーバの移行方法と手順でした。
役に立ちましたら、ぜひ他の記事も読んでみてください。