WSUS→Intune移行を検討しているIT担当者から、「IntuneはWSUSの完全な代替になりますか?」という質問をよく受ける。
結論から言うと、IntuneとWSUSは設計思想が異なるため、「同じこと」はできない。
ただし、Intuneには「WSUSではできなかったこと」もできる。
この記事では、Intuneでできること・できないことを、WSUS担当者向けに具体的に解説する。
WSUSは社内ネットワークに接続している端末しか管理できない。リモートワーク端末を管理するには、VPN接続が必要だった。
Intuneはクラウドベースのため、インターネットに接続していれば、どこからでも管理できる。
これらのシーンでも、VPN接続なしでWindows Updateを配信できる。
WSUSはWindowsのみ対応。
Intuneは以下のOSに対応:
BYOD(私物端末の業務利用)環境でも、Intuneなら一元管理できる。
WSUSはWindows Updateの配信のみ。
Intuneは以下のアプリケーション配信に対応:
例えば、新入社員の端末に「Office 365」「Teams」「Adobe Acrobat Reader」を自動インストールすることが可能だ。
WSUSにはない機能として、「コンプライアンスポリシー」がある。
例えば:
このように、セキュリティ要件を満たさない端末を自動的にブロックできる。
WSUSでは、新規端末のActive Directory参加は手動で行う必要があった。
IntuneのAutopilot機能を使えば、端末が初回起動時に自動的にAzure ADに参加し、必要なアプリケーションやポリシーが自動適用される。
新入社員や拠点増設時の端末セットアップ工数を大幅に削減できる。
WSUSでは、更新プログラムを1つずつ確認して承認できた。
Intuneは基本的に自動配信で、個別の更新プログラムを「この更新だけ拒否」といった細かい制御はできない。
ただし、以下の制御は可能:
「この更新プログラムだけは適用しない」という運用は、Intuneでは難しい。
WSUSは社内サーバーから配信するため、インターネット帯域を消費しない。
Intuneはインターネット経由でMicrosoftから直接ダウンロードするため、帯域が不足すると遅延が発生する。
対策:
完全にインターネット経由を避けることはできないが、工夫次第で帯域消費を抑えられる。
WSUSは社内ネットワーク内で完結するため、インターネット接続がなくても管理できた(WSUSサーバー自体はインターネット接続が必要)。
Intuneはクラウドベースなので、端末がインターネットに接続していないと管理できない。
完全なオフライン環境(例: 工場の製造ライン端末)では、Intuneは使えない。
WSUSは以下のレポート機能が充実していた:
Intuneにもレポート機能はあるが、WSUSほど詳細ではない。
ただし、Microsoft 365管理センターやAzure ADのレポート機能と組み合わせることで、より広範な情報を取得できる。
| 機能 | WSUS | Intune |
|---|---|---|
| Windows Update配信 | ◯ | ◯ |
| 更新プログラムの個別承認 | ◯ | △(延期設定のみ) |
| リモート端末管理(VPN不要) | ✕ | ◯ |
| iOS/Android管理 | ✕ | ◯ |
| アプリケーション配信 | ✕ | ◯ |
| 社内サーバーからの配信 | ◯ | △(Delivery Optimization) |
| オフライン環境対応 | ◯ | ✕ |
| コンプライアンスポリシー | ✕ | ◯ |
| 自動登録(Autopilot) | ✕ | ◯ |
| 詳細レポート | ◯ | △ |
IntuneとWSUSは、必ずしもどちらか一方を選ぶ必要はない。
以下のようなハイブリッド運用も可能だ:
詳しくは「Intune移行後もWSUSを残すべきケースと、完全廃止できるケースの判断基準」を参照してください。
個別承認はできないが、延期期間(0〜30日)を設定することで、検証期間を確保できる。
例えば:
完全に社内サーバーから配信することはできないが、Delivery Optimizationを有効にすることで、社内ピアツーピアでキャッシュ共有できる。
設定方法:
Intune単体ではレポート機能が弱いが、Microsoft 365管理センターやAzure ADのレポート機能と組み合わせることで、より詳細な情報を取得できる。
IntuneとWSUSを比較すると、以下のことが分かる。
Intuneは「WSUSの代替」ではなく、「次世代の端末管理」だ。
WSUSの機能をそのまま置き換えるのではなく、Intuneの強みを活かした運用設計が必要だ。
まずは「WSUSからIntuneへの移行、何から始めればいいか分からない人向けのロードマップ」を読んで、移行計画を立てよう。