31歳の誕生日を迎えた翌週、僕は初めて会社を休職した。
理由は、いわゆる「バーンアウト(燃え尽き症候群)」。朝起きられない、コードを見ると吐き気がする、週末も何もできずベッドで寝ているだけ。
「エンジニアなら誰でも多少忙しいのは当たり前」
そう思って5年間走り続けた結果がこれだった。
この記事は、僕が燃え尽きて、半年休んで、復帰して気づいた「エンジニアの働き方の正解」について書く。
もしあなたが今、疲れているなら、少しだけ読んでほしい。
振り返ると、原因は明確だった。
入社3年目から、ずっとデスマーチだった。
リリース日は決まっているのに、要件は途中で変わる。人員は増えない。残業は月80時間を超え、休日出勤も当たり前。
「このプロジェクトが終わったら楽になる」
そう信じて耐えていたが、次のプロジェクトも同じだった。
レガシーコードを改善する時間はなかった。
テストを書く余裕もなかった。
結果、バグが増え、修正に追われ、さらに残業が増える悪循環。
周りも忙しそうで、弱音を吐く雰囲気じゃなかった。
「自分だけがついていけないのか」
そう思うと、余計に言い出せなくなった。
ある日の朝、体が動かなくなった。
アラームは鳴っている。起きなきゃいけない。でも、体が重くて起き上がれない。
涙が止まらなかった。理由はわからない。ただ、涙が出た。
その日、初めて会社を無断欠勤した。
翌日、上司に「もう無理です」と伝えた。
最初の1ヶ月は、何もできなかった。
寝て、起きて、ご飯を食べて、また寝る。それだけ。
2ヶ月目になって、少しずつ外に出られるようになった。
3ヶ月目で、久しぶりにプログラミングの本を読んだ。不思議と、楽しいと思えた。
そこで気づいた。
僕はエンジニアの仕事自体が嫌いになったわけじゃない。あの環境が嫌だったんだ。
半年後、僕は復帰した。ただし、同じ会社ではなく、転職先で。
復帰後、働き方を徹底的に変えた。
「月20時間以内」を自分のルールにした。
それ以上は、どんなに忙しくても帰る。最初は罪悪感があったが、慣れた。
不思議なことに、生産性は落ちなかった。むしろ上がった。
週3日はリモートワークにした。
通勤がないだけで、体力的にも精神的にも楽になった。
「今の会社を辞めても、次がある」
そう思えるだけで、心が軽くなった。
実際、エージェントに相談してみたら、想像以上に転職先があった。
レバテックキャリアで面談を受けたら、「今のスキルなら年収100万円は上がる」と言われた。それだけで、「無理に今の会社にしがみつかなくていい」と思えた。
新しい会社では、リファクタリングやテスト追加の時間が確保されていた。
これだけで、仕事のストレスが半減した。
上司との1on1で、正直に「今、ちょっとキツいです」と言えるようになった。
言ったら負けだと思っていたが、言ってみたら楽になった。
もしあなたが今、疲れているなら、これだけは覚えておいてほしい。
限界まで我慢する必要はない。
僕は限界まで我慢した結果、半年を失った。
その半年があれば、もっと早く次のステップに進めたはずだ。
転職するかどうかは別として、自分の市場価値を知っておくだけで、心の余裕が生まれる。
「今の会社を辞めても、次がある」
そう思えるだけで、働き方が変わる。
休職は逃げじゃない。メンテナンスだ。
車だって、定期的にメンテナンスしないと壊れる。人間も同じだ。
「石の上にも三年」なんて、今の時代には合わない。
合わない環境で3年耐えるより、合う環境で3年成長した方がいい。
僕が燃え尽きて気づいたのは、「働き方の正解は、会社が決めるものじゃない」ということだ。
自分で決めていい。
残業しない働き方も、リモート中心の働き方も、転職して環境を変えることも、全部正解だ。
もしあなたが今、疲れているなら、まずは自分の市場価値を確認してみてほしい。
「次がある」と思えるだけで、今の環境が少し楽になるはずだ。
そして、もし本当に限界なら、休んでいい。
僕は半年休んで、今の方が圧倒的に幸せだ。