目次
私は仕事でもプライベートでもWindows、Linuxどちらも使用したことがあり、これから先も使い続けることになると思います。
Windowsにはいわゆる”囲い込み”の結果、素晴らしいソフトウェア群をシームレスに使用することができ、特にビジネスでは必要不可欠です。
対してLinuxはオープンソースならではの前衛的な技術思想、機能がどんどん反映されており、昨今はスマートフォン、タブレット、IoTデバイスなどにも使われており時代を創っていくOSだと思います。
どちらが良い/悪い、好き/嫌いというのはそれぞれの好みで良いのですが、
それぞれのOSの背景にある思想を体感する上で非常に役立った書籍をそれぞれのOSに対して1冊ずつご紹介します。まずはWindowsから。
闘うプログラマー – ビル・ゲイツの野望を担った男たち
現在のWindowsの基礎となるWindows NTを開発した人々の活躍をプロジェクトXのような難題→解決して前に進んでいく様を描いています。
特に印象深い登場人物
本書は、設計思想というよりはWindows NTという超困難と言われたOSの開発を超優秀な人材がデスマーチしてどのように完成まで至ったか、という歴史が刻まれています。
こちらも印象に残った一節を紹介します。
自身が作ったドッグフードを食べる。
(開発中の製品を外部に出す前に、社内で行うテスト。まずは自分で試す!)
優秀なエンジニアと一緒に仕事をして、みんなが使っているのをこの目で確かめられる商品を作ることの方が遥かに楽しい。
ソフトウェアとは無関係の方法でカネを稼ぐくらいなら、今の仕事を無償で続けている方がいい。
ゲイツは、まともなコードが書けるプログラマーだけが管理者になるべきで、管理者になってからもコードを書きつづけるべきだと考えている。これは、ソフトウェア会社が陥りやすい問題をみごとに解決する方法だ。
マイクロソフトは、十分な研修をしないことで有名だ。「泳げないヤツは沈めばいい」というのが、新人のルールだった。
WindowsNTに人生を賭けた情熱を注ぐエンジニア達の戦い。個性豊かなエンジニアが出てきます。
それは僕が楽しかったから Just for Fun
フィンランドの青年が、世界中を巻き込んだオープンソースLinuxを開発した物語です。
その青年はリーナス・トーバルズ。
本書には、このリーナス・トーバルズのLinux開発物語、人間性などが描かれた自伝的な本です。技術的な内容も一部出てきますが、一般向けにわかりやすく書かれています。
原題はJust for Fun。楽しいからやる。まさにLinuxの思想を表した表現となっています。
こちらも印象に残った一節を紹介します。(一部省略)
人生にとって意義のあることは3つある。
1つめは生き延びること。2つめは社会秩序を保つこと。3つめは楽しむこと。
人生の意味は、この第三ステージにたどり着くことだといえる。つまり、第三ステージにたどり着けば、あがりってこと。ただし、まず前の2つのステージを経験しないとだめだけどね。
ここで僕の黄金律を披露しよう。
一つ目は「自分がして欲しいことを人にもしてあげよう」。このルールを遵守すれば、どんな状況にあっても自分がどんな行動をとるべきかちゃんとわかるというわけ。二つ目は「自分のすることに誇りを持て」三つは「そして楽しめ」
もし、知識や技術を支配することで金儲けをしようとするのなら、結局はうまくいかないだろう。それは独裁的だし、歴史を振り返れば、悪い結果しか見られない。
OSという視点で2つの良書をご紹介しました。
その他にも開発者の視点で読むべき良書はたくさんあるので、ぜひ読んでみてください。